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9月の防災月間にあたって

あるコラムに「防災・減災の対策強化につなげよ」と次のようなコメントがあったので紹介します。

昨年、政府の中央防災会議は、北海道から東北地方の太平洋沖にある日本海溝・千歳海溝沿いでマグネチュード9クラスの巨大地震が起きた場合の被害想定をまとめた。

地震が発生する季節や時間帯など異なる条件で被害を推計。
冬の深夜に発生し避難率も低い最悪のケースでは、千葉以北の七道県で死者は最大十九万九千人に上り、そのほとんどが津波による被害。
東日本大震災の災害関連死を含めた死者・行方不明者数二万二千人を大きく上回る衝撃的な想定である。
一方、避難先の確保や避難の迅速化といった対策を講じることで、津波の死者数を八割減らすことができるとも試算している。

自治体は津波避難ビル、タワーの整備や建物の耐震化を進め、避難先の確保を急いでほしい。
また、寒冷地ゆえに、津波から逃れても、厳しい寒さで低体温症のリスクが高まる。
避難所に防寒具や暖房器具などを備蓄しておくことも欠かせない。
特に住民一人一人が「地震が来たらすぐ逃げる」意識をどれだけ高めるかである。
今回の想定を『自分ごと』と捉え、地域の避難訓練に積極的に参加するなど、日頃からの心がけを大切にしたい。

日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震は「3.11」をうけ中央防災会議が2014年にまとめた「大規模地震防災・減災対策大綱」で、南海トラフ大地震、首都直下地震とともに、対策が求められていた。
今回の公表により、3つの巨大地震の被害想定がでそろった。
南海トラフ巨大地震の最大死者数は、30都道府県で計32万3000人にも及ぶ。首都直下型では、2万3000人を超えるとされている。
改めて地震大国・日本における備えの大切さを思わずにはいられない。
世界で発生するマグニチュード6以上の地震の約二割が日本周辺で発生している。3.11の教訓は「想定外をなくすこと」である。
防災減災対策は、過去の教訓に真摯に学び、必要な見直しを早期に実行する不断の努力の上に成り立つことを強調しておきたい

奇しくも9月は防災月間です。
この様に、今までの災害を教訓として、次に《何をするべきか》を考え行動に表す必要性を問わなければならないと感じます。
8月22日付の、山梨日日新聞に小生の言葉をよく理解していただき、分かりやすくまとめられたので紹介したいと思います。

復興へ全国の職人と連携

一般社団法人「災害復旧職人派遣協会」は全国の被災地に職人が赴き、破損した住宅の屋根に無償でブルーシートを掛ける活動を展開。
自身は2017年の発足当初から指を執る。

屋根工事などを手がける「日本ステンレス工業」(大月市)の会長も務め、「被災地に職人を集中的に派遣し、復興を支える仕組みをつくりたい」と語る。
 阪神淡路大震災が発生した1995年は「ボランティア元年」と呼ばれる。被災地の映像を見て心を動かされ、地震発生から10日後に社員と現地に行き、30日間にわたり家屋のビニールシート掛けなどに当たった。

全国の被災地で活動を続けたが、「災害が頻発していて、一社の活動では足りない」との思いが募った。
被災地には日本中からビニールシートが届くが、作業をする職人が足りないのが実情だった。
「職人はみな被災地を助けたいとの気持ちがあった。事業者が参加しやすい組織が必要だ」と考え、派遣協会の立ち上げを決意した。

これまでに大阪北部地震や台風15号で被害を受けた千葉県などに職人を派遣。宮城や山口、静岡などにも支部があり、約140人の職人が登録をしている。
7月下旬には東京都内で全国総会を開き、各支部の連携を確認した。

被災地のビニールシート掛けには「十分な足場がなく、命がけの危険な作業」。一方で「屋根から雨漏りすれば住めなくなり、復興に向けた被災地者の心は折れてしまう」とも指摘。広島県や福岡県でブルーシート掛けの技術講習会も開いてきた。
災害現場で被災者と向き合って作業することが、職人の人材育成にもつながると考えている。「今後も全国の職人に活動への参加を呼びかけたい」

以上のように、災害時における体制づくりが急務であると感じる昨今です。

会長 石岡博実