令和時代を迎えるに当たって求められる、経営者の円滑な世代交代や、経済・社会構造の変化に合わせた自己変革の取組について、事例を交えた分析をまとめた『中小企業白書』(経済産業省発行)において、「更生保護事業等を通じ、青少年の更生に貢献する企業」として弊社の取り組みが掲載されました。
以下に全文を転載します。
日本ステンレス工業株式会社
「更生保護事業等を通じ、青少年の更生に貢献する企業」
山梨県大月市の日本ステンレス工業株式会社(従業員33名、資本金1,000万円)は、金属瓦屋根及びリフォームの施工を行う企業である。
同社は、「他利自繁」を企業理念の根幹に掲げ、CSR活動や企業メセナ54に積極的に取り組んでいる企業である。同社の活動は、青少年の更生保護の活動をはじめ、震災ボランティア、ネパール支援活動など多岐にわたり、2016年には第59回山梨県更生保護大会にて感謝状を授与されている。
この中で同社が特に力を入れて取り組んでいる活動の一つが、青少年の更生保護活動である。一般に、犯罪・非行の前歴を持つ者や刑務所出所者などが定職を見つけて社会に溶け込むことは、容易ではない。石岡博実会長は、こうした前歴のために定職に就くことに苦労している人々を従業員として雇用し、社会復帰を支援する更生保護としての活動を行っている。同社ではかねてより「不良」と呼ばれる若者を積極的に採用していたため、更生保護事業では、彼らを社会人として育成してきた長年の経験
がいかされている。
青年を育成・更生することを目的の一つとして同社が行っている活動に、紅富士太鼓という和太鼓チームによる海外公演がある。同社の社員の多くがメンバーとして参加する同チームによる海外公演は毎回好評を博し、「不良」と呼ばれた青年たちに、人から認められ賞賛される経験を与えている。
また、同じく青年の育成・更生を目的に行っている活動に、災害ボランティア活動がある。同社は1995年の阪神・淡路大震災以来、災害のたびにボランティア活動に参加している。主な活動内容は、被災した家屋へのブルーシート掛けである。参加期間中、同社の社員は一つ屋根の下で共同生活を送ることになるが、このボランティア活動とその間の共同生活により、会社や社会への帰属意識が強まり、青年の更生保護に大きな効果が得られるという。さらに、これらの取組は、同社と従業員との信頼関係の強化につながり、同社の従業員定着率向上にも寄与している。
石岡会長は、これまで取り組んできた更生保護事業などの社会貢献活動を通じ、実践的な知見を蓄積してきた。
今後は、自身が持つこれらの知見と、自ら支援を実行する姿勢を、社員をはじめ、地域・社会につないでいきたいと考えている。
『中小企業白書 2019』(P347に掲載)
https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2019/PDF/chusho/00Hakusyo_zentai.pdf
第3部 中小企業・小規模企業経営者に期待される自己変革
第1章 構造変化への対応
第2節 社会構造の変化と中小企業に期待される役割
事例:3-1-18
なお、今回の掲載につきまして、地元山梨選出議員である堀内詔子衆議院議員より激励のお手紙をいただきました。